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リフォーム 京都が人気の理由

「自遊設計のすすめ」というタイトルに、あるいはひところ流行った言葉をもじった遊びの意味合いを感じる方があるかもしれない。
自分の会社の屋号が「遊」だからそれをしゃれたつもりだろうと思われるかもしれない。
しかし、確かにそうしたニュアンスがあるにせよ、私は安易にもじったわけでもなければ、しゃれたつもりもない。
リフォームにおける私の思いをお伝えしようとする時、「自由設計」という言葉では言い尺、くせないものを感じるのである。
ではなぜ、「自遊設計」なのか。
いま、この本を手にされ、まえかきに目を走らせているあなたはリフォームに対して何らかの関心をお持ちの方にちがいない。
リフォームを計画中であるか、あるいは失敗されたか、または初めに価格ありきのプランでパッケージングされ、ただ価格競争のみに明け暮れている業界に対し不信感、ないしは飽き足りなさを感じておられる。
はたまた、もっと自分にピクリと来るリフォームプランはないものかと書籍や雑誌を渉猟しておられる。
いずれにしても、新しいリフォームのあり方、といったものに対して真面目に関心を持ち、考えておられる方だろうと思う。
この本で、私はまさしくそういった皆さんに向けて、これからのリフォームはいかにあるべきかを、現場でそれこそ片手に鉛筆を持ちながら一から見つめ続けてきたものならではの視点で語ろうとしている。
いうまでもなく、リフォームは洋服を買うのとはわけが違う。
買ったものの気に入らないからとクローゼットにしまいこんでおくわけにはいかない。
ひとにあげるわけにもいかないものである(もっとも、リフォームに失敗して結局そのマンションを手放して、つまり人に譲って引っ越した例は沢山ある)。
しかも高額の支出をともなう。
新しがり屋のプランナーの自己満足で、人に見せる分にはいいものの、毎日の生活空間としては不便この上ない、といった住まいをつくられたのではたまったものではないのだ。
自遊設計。
その意味するところは施主による施主のための設計であり、いまの住まいをより快適に、より住みやすく、より美しくするためのリフォームを自分で設計しようというものである。
それらはいずれもその人のライフスタイル(楽しみ方)やライフステージ(家族構成)、さらにはライフファッション(感性)によって異なる。
なにが快適で、なにが美しいかは人それぞれ違うのである。
人の数だけ住まいがあるといっていい。
しかし残念ながらいまの状況はといえば、たとえばキッチンリフォームといえば、古いコンロや流し台をシステムキッチンにすること、と捉えられがちだ。
それだとコンロ一体型の流し台を買うことでしかない。
リビングの照明器貝が古くなったから買い替えるというのと変わらない。
リフォームも買い替えであることには代わりないが、ただし、この場合、買い替えるのは生活空間である。
ただ器貝が新しくなった、ではなくキッチンの使い勝手がよくなり料理が楽しくなった、台所が居心地の良い空間になったと実感できてこそのリフォームなのである。
言葉を変えればリフォームとは、トータルなライフデザイン、ライフプランニングとも言える。
そこには「遊」の心が必要である。
「遊」は(わが社の社名もそうだが)、単に遊び心を意味する遊ではない。
気まま、とももちろんちがう。
しいて言えば人生のゆとり、だろうか。
ただし〝悠〟や〝裕〟ではない。
島崎藤村の有名な「千曲川旅情の歌」に「小諸なる古城のほとり雲白く遊子悲しむ」とある、あの遊である。
遊子は旅人の意だが、ここに詠われた遊子は遊びにでかけた気ままな旅人ではあるまい。
傷心の思いを癒すべく苦懐かしいふるさと、山紫水明の千曲川の岸辺にたたずむ若き口の藤村。
浮ついた遊び心などとは無縁の、貢実の人生を求めて旅する人の姿がそこにある。
とはいえ、旅は癒しである。
癒しとは愉しみによってもたらされる。
人生の旅人である私たちは、日々のあゆみに疲れながら、その疲れを癒してくれるところを探し、求めている。
自分にとって快適で心地よい空間、それは人それぞれだろうが、住まいの占める役割は決して少なくはあるまい。
言葉を変えれば、今の住まいが心地よい居場所でないから家の外にやすらげる場所を求めるのかもしれない。
人生を旅する私たちにとって、何よりのテーマ、それは「終(つい)のすみか」を探し、求めることではないだろうか。
これから、私はあなたとご一緒にあなたの、あなただけの住まいを求めて、ツアー・コンダクターとなってリフォームの旅をご案内したいと思う。
「遊」の心を添えた楽しい旅の先に「濁り酒濁れる飲みて草枕しばし慰む」としゃれてみようではありませんか。
「生け花」は究極のインテリア
活躍する世界は違っても、美意識とセンスが決め手となる点は同じ。
対談にも熱がこもります。
「人は変わる。だから住まいも変わるんです」
若いころは、ガイドブック片手によく京都を歩いたものですが、いつ来てもいい街ですね。
古いものと新しいものが混然としていて、しかも不思議な調和があるというのは京都らしさ、でしょうね。
でも、わたしの行動範囲って意外に狭くて、ほとんどここ(六角望)と家のある漂北大路の間しか知らないくらいなんです。
今はどんなお住まいですか。
母の好みで造った家で、華道のイメージからは想像できないくらい外観もインテリアも西洋風なんです。
初めての方が間違えてお隣へいらっしゃるほどなんですよ(笑)。
お仕事が純粋に日本風なだけに、プライベートな生活ではその反対を求めるというところがあるのでしょうか。
そうかもしれません。
家に帰ると、パッと切り替えられるというところは確かにありますから。
住まいの傾向にもよく似た流れがあるんですよ。
ついこの間までは、モダニズムみたいなのが主流だったんですが、最近はまた和風に戻ってきています。
とくに団塊の世代の人たちにそれを求める傾向が強いですね。
自分の中にずっと残っている幼いころの世界を再現したいという気持ちになるのかな。
建目一へも、引き戸を希望されるお客様が多いですよ。
引き戸は日本の風土と合ってますね。
スペースも少なくてすみますし、大震災の時、引き戸式の棚は物が落ちてこなかったと聞いています。
とくに皆さんが悩まれる大きなテーマが畳。
どうしてもと固守するほどでもないが捨てがたい、というところなんですね。
そこで淳上したのが、縁のない九〇センチ角の琉球畳で、これだとリビングのようなフローリングの部屋と続いてもうまく調和するんです。
ただそれも全体のバランスとか、家貝調度などによって畳の大きさなんかを変える必要がある。
そのあたり、われわれもできるだけ自由な発想でお客様に納得していただけるものを提案していかなくてはいけないんです。
華道も生活の中のインテリアとして楽しむ面が広がってきたと語る由紀さん現在の住まいは洋間中心なんですが、建て替える前の家には掘りごたつのある茶の間があって、皆が集まるのもその部屋でした。
家族の中にしめる割合がとても大きかったですね。
いつかまた、そんな部屋が懐かしくなるかもしれません。
今の家は、二戸建てですからゆとりがあって、それはそれでいいのですが、維持管理が大変というところもあります。
齢をとったら、機能的で、鍵ひとつでどこへでも出られる賑やかな都心のマンションの方がいいかなとも思ったり……。
人間って、いつも気持ちが揺れていて、つい反対のものをねだってしまうんですね。

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